2013年6月30日日曜日

初の玉手箱

奈良の大門玉手箱(一箱古本市+α)へ、遊びに行ってきました。

今回は、箱主ではなく、客として行ったのですが、なんと、開始の11時から終了の16時まで、ずっと居座ってしまいました^^; そのくらい、居心地の良い空間だったんですね。

店主さんたちとお話をしながら、ひとつひとつ箱を見させていただいていたら、気付けば本を2~30冊も購入していました。自分でもびっくり。最近は、仕入れだと自分に言い訳をして、本を買うことに歯止めがきかなくなってきてる気がするなぁ。



そのあとは、先日の天神さんで一箱古本市でご一緒したブックスダカラさんの箱の所に、店主でもないのに居座って、お客さんや店主さんたちと楽しくお話をしていたら、あっという間に終了時間に。お客としてもたっぷり本選びを楽しんで、店主気分も味わってしまったという、二度おいしい古本市でした。こういうことを許してくださる、いい意味でゆるさ満点の大門玉手箱。クセになる人も多い、というのもうなづけます。本以外にも、+αの手作りの品がかなりの存在感で、それもまた魅力の一つですね。そのおかげで、いろいろな手作り作家さんとの出会いもありましたし。

あ、それと、ミジンコブンコさんの出されていたキーマカレーがめちゃくちゃ美味しかった!この屋号でカレー屋さんとは、たまげました(お店には本が沢山あるそうです)。

主催のぼちぼち堂さんとも、たくさんお話できて良かった。この方のお人柄で、大門玉手箱は、これほどの回数を重ねて、続いてきたのだろうな、と実感しました。

2013年は、8回開催されているそうなので、機会があれば、出店もしてみたいな。次回は9月28日(土)の開催だそうですよ。ゆる~い古本市から始めたいという方(何度もいいますが、いい意味で、です)、玉手箱、おすすめです! 

*びすこの読書ノート*
「マレー蘭印紀行」 金子光晴 中公文庫 2004

美しい。この一言につきます。だけど、たまらなく悲しい。美しすぎると、人は悲しみを覚えるものなのでしょうか。
この「マレー蘭印紀行」は、詩人の金子光晴が、東南アジアを旅した紀行文ですが、私はこれまでどうして金子光晴を読まずにきたのか、と激しく後悔しました。
これからだって、遅くない。この人の、美しい文章をたくさんたくさん読もう。






2013年6月27日木曜日

スーフルフルフル

良かった。間に合って。京都・円町の食堂スーフルさんで開催されている古本市へ行ってきました。今日と、あとは最終日の30日を残すのみなので、ぎりぎりでした。ホッ。

京都には数えきれないほど行っていますが、円町で降りたのは今日が初めて。でもとっても分かりやすい地図のおかげで、極度の方向音痴の私でも、すぐに辿り着くことができました。

扉を開けると、店主さんの飛びっきりの笑顔に迎えられ、本を見るよりまずは腹ごしらえ、とお昼ごはんをいただきました。黒米を使ったハヤシライスにサラダのランチ。お腹がすいていたのもあり、5分くらいでペロッと食べてしまいました。

「神戸でもこういう古本市をやりたいんですよ~」と店主さんといろいろお話させてもらい、せっかくここまで来たんだから、と自分に言い聞かせながら、古本市の期間限定スーフルーツパフェを注文。こちらも瞬殺でペロリ。フルーツも生の果物を凍らせたもので、缶詰のフルーツなんかよりずっと美味しかったなぁ^^

お腹もかなり満足したところで、ようやく本たちを見せていただきました。参加店舗は、

マヤルカ古書店
古書コショコショ
ハニカムブックス
世界文庫
100000tアローントコ
山椒文庫
江頭昌志
放蕩息子、

の8店舗と、超豪華。それぞれの店主さんが選りすぐって出された本だけに、どの箱も個性的で魅力的で、夢中で箱を漁りました^^; 本当は他にも沢山欲しい本があったけれど、リュックに収まる程度に泣く泣く絞って、購入。

本当においしかったし、楽しかったし、収穫もたっぷりで、幸せな気分で帰途につきました。

でも神戸だって負けてられません。9月には神戸でも、古本市やりますよ。まずは企画がんばります!!


*びすこの読書ノート*
「生きていることを楽しんで (ターシャ・テューダーの言葉特別編)」 ターシャ・テューダー(著) リチャード・W. ブラウン(写真) 食野雅子(訳) メディアファクトリー 2006
“おとなになり、結婚をし、子どもが生まれてもまだ、未来は大きな神秘に満ちていました。
やがて人生も半ばを過ぎる頃、ふと振り返ってみると、わたしはいつの間にか、その大きな神秘を歩んできていました。日々の喜び、わくわくするような小さな成果の積み重ね、家族や友人との心温まる交流ーそれこそが、人生という航海で出会う冒険の数々だったことに気付いたのです。”

このおばあちゃん、なんかキラキラしてるなぁ。キラキラに年齢なんて関係ないんですね。いくつになっても、現状をありのままに受け止め、堂々と生きて行けばいいんですね。不平不満を言いながら、世界の美しい部分に目を向けずに生きていくのは、何ともったいないことか、と美しい写真や、彼女の描く温かい絵と文章に、ハッとさせられました。


 

2013年6月26日水曜日

CAFE de 買い取り、無事終了いたしました

FARM HOUSE CAFEでの本の買い取り、全日程、無事終了いたしました。

たった4日間でしたが、濃い濃い、素晴らしい経験をさせてもらいました。CAFEのご近所の方や、先日の“天神さんで一箱古本市”で出会った方、普段からCAFEに来られている方、などなど沢山の方と、買い取りや本の販売を通じて、コミュニケーションを取ることができ、本当に得難い経験でした。
まだまだ勉強不足で、ご迷惑をおかけしたところもあるかと思います。それを温かく受け入れてくださった皆様、本当に本当にありがとうございました。
また今回のカフェで買い取りの実施に際し、各方面の皆さまに、多大なるご協力をいただきましたこと、心より感謝しております。
これから、少しでも皆さんに喜んでもらえる古本屋を作っていくことで、恩返ししたいと思います。
今後とも、びすこ文庫をよろしくお願いいたします!!


*びすこの読書ノート*
「マダム小林の優雅な生活」 小林聡美 幻冬舎文庫 2001

いわゆる“女優さん”という高いところにいる感じがせず、大好きな女優さんです。エッセイに書かれている日常も、期待を裏切らず、面白い。まるでコントのような、三谷幸喜さんとの夫婦生活。電車の中で読むのは、つらかったです。
中でも爆笑したのが三谷氏の“ 心のアウトドア派 ” 発言… これからこの言葉マイブームになりそうです。言い訳するときに「いや、私は心の○○だから。」って。
この夫婦、理想だ~と思ってたのになぁ(執筆時は、まだご夫婦でした)。
片桐はいり、小林聡美、と来たら、次はもたいまさこ、を読むべきか。


2013年6月23日日曜日

変幻自在な居留守ワールド

本の仕入れのため、弁天町のORC200で開催されている古本祭へ、行ってきました。

関西の古本屋30店が出店している古本市ですが、開始時間の12時より前から、カバーのビニールシートがはずされるのを、今か今かと待っている古本好きの方もちらほら。そして、少しフライング気味に、しかし、いたって静かに、本日の古本祭が始まりました。
お店ごとにそれぞれ個性や得意分野があり、非常に勉強になりました。普段は、同時に30店ものお店を見てまわることは不可能なので、貴重な機会ですね。
しかし、30店分を一気に見るのは、本好きとは言え、疲れました~。でも、段ボール1箱分くらいは仕入れが出来たので、まぁ良しとしよう。









その後、お店のオープン早々話題にのぼり、ずっと行きたいな~と思っていた、大阪・阿倍野の居留守文庫さんへ行ってきました。今年4月にオープンしたばかりというのに、ブルータスの古本屋特集にでかでかと写真付きで掲載されたツワモノです。
写真やホームページである程度見ていましたが、実際に訪れると、その何倍も面白い空間でした。めちゃくちゃカッコいい!独創的!さすが、演劇人の店主・昆虫さん(!)が作り出した本屋さんです。
 私が特に気に入ったのが、この四方を本棚にかこまれたスペース。真ん中に座ると、本にうわ~っと呑みこまれるような感覚で、とっても不思議。
 
 このレイアウトも刻々と変化しているようなので、何度訪れても新しい驚きに満ちた本屋さんなんだろうなぁ。

店主さんにも、例のごとく、初対面でいきなりいろいろとご相談してしまいましたが、とっても親身になってお話を聞いてくださり、実務のこまごまとしたところまで、たくさん教えていただきました。
しかも大きな声では言えませんが、かなりの本を寄付いただき、本当に本当に恐縮です。そのお気持ちを無駄にしないようにしなければ。

はぁ、今日も素敵な出会いに満ちた、素晴らしい1日だったな。明日からの、CAFE de 買取もがんばろ。
明日からは3日連続、CAFEで本の買い取りで~す。
皆さん、お気軽に~。


*びすこの読書ノート*
「猫語の教科書」 ポール・ギャリコ・著 灰島かり・訳 スザンヌ・サース・写真 ちくま文庫 1998
“男も女も、老いも若きも、善人も悪人も、つまり人間全部に共通する特徴は、孤独ということ。そして猫とちがって、人は一人でそれに耐えられるだけの強さがないのです。”

これは何も、人間が猫の言葉を理解するための本ではありません。なんと、猫がどうやって人間をうまくしつけ、事実上その家をのっとるか、というノウハウを猫自身が書いた本なのです。この設定が既に、突拍子もなく面白いですが、その文体もユーモアに溢れ、豊富な写真も相まって、とっても楽しい本です。
しかし、だんだん人間のバカさ加減に恥ずかしくなってきました。猫からしたら、人間を操るなんて、ちょろいもんなんだろうなぁ、と次から猫を見る目が変わりそうです。


2013年6月21日金曜日

ガチガチの買い取り初日終了

ガッチガチでしたが、FARM HOUSE CAFEでの古本買取り、無事初日が終わりました。ふぅっ

雨の中、わざわざ電車に乗って来てくださった方、お気に入りの片岡義男コレクションを譲ってくださった方、段ボール一箱分の本を寄付してくだったうえ、お庭に咲いていたという綺麗なアジサイをブーケにして手渡してくださった方、少しですが持っていった本を購入いただいた方、などなど、本当に本当に感謝の気持ちでいっぱいです。来てくださった方とお話する中で、古本屋というのは、ただ要らなくなった本を処分するのではなく、本に込められた思いを次の方へ橋渡しする、そういう役目があることを、再認識しました。

雨にもかかわらず、足を運んでくださった方々、本当にありがとうございました!!

次回は、来週の月・火・水(24日、25日、26日)の3日間です。お気軽に遊びに来てくださいね。
http://www.biscobunco.com/

余談ですが、自分が思っていたよりもずっと緊張していたようで、終わった後、顔が違う、と言われました。努めてにこやかにしていたつもりだったのになぁ。


CAFE内びすこ文庫はこんな感じ



*びすこの読書ノート*
「森崎書店の日々」 柳沢里志 小学館文庫 2010
“頑強な自分の檻の中に立てこもるのはやめにしよう。動いて、いろんなものを見て、そこからいろんなものを学び取ろう。そして自分の居場所、自分がそこにいてもいいと自信を持って言える場所を探そう” 
“それは、心の問題なんだ。どこにいようと、誰といようと、自分の心に正直でいれば、そこは自分の場所なんだ。” 

失恋、傷心中の主人公が、叔父の営む古書店・森崎書店に居候し、さまざまな人々との交流を経て、心を癒していく物語。主人公の貴子は、初め、古書になど興味を持っていなかったのに、ふとしたことから本を手に取り、どんどんその世界に魅了されていく姿が、本好きとしてはとても嬉しかったです。
“そうした時を越えた出会いは、古本でしか決して味わえないものだった。” という気付きや、
“別に詳しいとか詳しくないとかは関係ないんじゃないかなぁ。・・・
それよりも一冊の本と出合って、それでどれだけ心を動かされるかってことが大事なんじゃないでしょうか。” といった言葉に、そうそう、その通り!と頷きながら読み進めました。
しかも、古書初心者なのに、選ぶ本が渋い。お~、のっけからそれを選ぶ?という感じの選書で、私もそれ読んでないとマズイよな、とちょっと焦りました(笑)。




2013年6月20日木曜日

雨の日は乙女な気分で

今日は、神戸元町のハニカムブックスさんに、谷口真由美さんの作品展を見に行ってきました~。

めちゃんこかわいいんですけど。


ハニカムブックスさんの雰囲気とばっちりマッチしていて、相当癒されました。











雨が結構降っていたので、どうしようか迷ったけれど、行って本当に良かった~^^
ハニカムブックスさんには、以前に一度、お邪魔しただけだったので、店主さんも覚えてらっしゃらないだろうと、客の振りして、隅から隅までじっくりお店を拝見させていただいていたのですが(笑)、しっかり覚えていてくださいました^^;
びすこ文庫についても、少しお話させていただきましたが、店主さんは、本当に優しい方なんです!ちょっとお話するだけでもそれが伝わってくるほど、優しい方なんです。お店同様、素敵な店主さんにも癒されました。

それにしても、ハニカムブックスさんの店内は、とにかく乙女でかわいらしいのです。私には全く真似の出来ない分野なだけに、うらやましいです。でも、そんな乙女なお店の、乙女な本や雑貨を楽しめている自分が、ちょっと嬉しかったです(笑)。
 
元町を後にして、毎度おなじみ(笑)ワールドエンズガーデンさんに寄って、まったりして、帰ってきました。
 
本日も2件の古本屋さんをまわって思うのは、どうして古本屋の店主さんというのは、こうも皆さん良い方ばかりなんだろう、ということ。これまで私が訪ねてお話させていただいたお店の店主さんは、本当に一人の例外もなく、親切で優しい方ばかりです。これが古本屋業界の特性なんでしょうか。素晴らしい。私も早く仲間入りをさせていただきたいです。精進せねば。 


*びすこの読書ノート*
魔女図鑑―魔女になるための11のレッスン 」 マルカム・バード 作・絵 岡部史 訳 金の星社 1992
“本書の内容は、熟練した魔女によってのみ実用可能です。実験にともなう危険について、当方はいっさい責任をもちません。”

楽しいです。魔女料理の作り方や、魔女に向いている家、向いてない家、魔法のかけ方に、空飛ぶほうきの作り方まで。魔女になるための実用書(?)です。
小さな頃は、誰でも魔女になって、空飛ぶほうきで飛びたいと思ったもんじゃないでしょうか?学校の掃除用ほうきにまたがって、飛ぶ真似をした人は私だけじゃないはず。そんな子供の頃の夢想を思い出させてくれる素敵な絵本です。ユーモアたっぷりの絵と文章で、大人も子供も楽しめます。


2013年6月18日火曜日

エメラルドな本たち

本日は、西元町にあるエメラルドブックスさんへ行ってきました。この3月にオープンされたばかりの、本と雑貨と喫茶のお店です。

考えてみれば、私、初めて西元町エリアへ足を踏み入れたかもしれません。これまでは、行っても元町どまりでした。新しい場所を訪れるきっかけが本屋さん、しかも古本メインの、っていうのが嬉しいですね。

お店は、白を基調として、絵本・児童書を中心としたラインナップに、窓際には喫茶スペース。で、とにかくおしゃれ!本も、すべての棚をくまなく見たくなるような素敵な品ぞろえで、結構買ってしまいました(いや、いいんですけどね)。

 
 
お店でされてる “10 books for 1 drink” というシステムも面白い。エメラルドブックスさんでは本の買い取りはされていませんが、本10冊でドリンク1杯が無料となるサービスです。なるほどなぁ。いろいろなやり方があるんだなぁ。
 
店主の方にご挨拶をすると、気さくにお話をしてくださり、アイスコーヒーをいただきながら、しゃべり倒してしまいました。しゃべり過ぎたかなぁ。びっくりされたかなぁ。それに、家からかなりの距離を自転車で行ったため、汗だく状態の私を、何度も「暑いですか?」と気遣っていただきました(笑)。
予想外に長居してしまうほど、楽しい時間を過ごしました。ありがとうございました!
 
まだまだ沢山、行きたい本屋さん、お店が山積みで、嬉しい悲鳴です。
 
 
*びすこの読書ノート*
「イトウの恋」 中島京子 講談社文庫 2008

歴史上の実在した人物に想を得て書かれた小説。いわゆる歴史小説と言えるものですが、その主役に選んだ人物というのが、これまたツウやなぁ、と思わせてくれます。
主役のイトウとは、イギリスの旅行家で『日本奥地紀行』の著者イザベラ・バードの、日本での通訳を務めた青年です。通訳をチョイスするのも心憎いですが、その2人に恋愛をさせてしまうのです。2人の年の差は30歳近くですよ?!そんなん、思いつくか?しかも、読んでいてその展開に全く違和感を感じません。自然と感情移入してしまいました。
普通なら見落としそうな人物に着目し、考えづらいシチュエーションでありながら、読者を納得させてしまう著者の筆致は見事です。


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


2013年6月16日日曜日

ブックイベントはしご

今日は、本関連のイベントを2つハシゴしてきました。本日も京都^^

まずは、「三島邦弘(ミシマ社代表)×税所篤快 トークイベント@ミシマ社の本屋さん」へ。テーマは、ずばり “「思いたったが吉日」主義のススメ”。これこそまさに今、私に必要なテーマでしょう、と飛びつきました。なんだか勇気をもらえるような気がして。
今日のイベントに行くまで不勉強で知らなかったのですが、税所篤快さんは、マンガ『ドラゴン桜』に感化されてバングラデシュのまずしい農村で無料の受験予備校を開き、現在では、「五大陸ドラゴン桜プロジェクト」をかかげて、アフリカ、中東など、教員不足になやむ地域へと活動の場を広げているものすごい早稲田大学生です。なんと若干24歳!とにかくキラッキラの笑顔がも印象に残りました。


今日の対談を聞いて、一番思ったのが、「行動すること」の大切さ。いろいろ考え、悩みぬくことも必要でしょうが、それだけでは何も変わらない、とにかく動いてみること、現地へ行って肌で空気を感じること、そのことの大切さを改めて認識しました。三島さんからは、やはり本・出版に対する熱い思いを感じることができ、本当に参加して良かったと思えるトークイベントでした。
それにしても、参加者の年齢層が若かったなぁ。大半が、税所さんと同年代の大学生だったのではないでしょうか。今の若者(なんていう時点で年寄じみてますが)の、社会貢献への意識の高さ、そして彼らのポテンシャルの高さを非常に感じました。なんだ、日本まだまだイケるやん、と思わせてくれました。

その熱気も冷めやらぬまま、本日2つ目のイベント、「穂村弘(歌人)×堀部篤史(恵文社一乗寺店)『雨の日は列車にゆられて』」のため出町柳へ移動。このイベント、京都市の左京区を走る叡山電車が会場。しかも、イベントの間、電車は運行するのです!日頃から地元の方の移動手段として利用されている電車。場所自体は日常的なんだけど、お客さんが満員の車中で、お二人のトークを聞いているというこのシチュエーションがどう考えても非現実的で、とってもシュールでした。


私は穂村さんのエッセイがすごく好きなので、このイベントに参加したのですが、イベントが始まるまで、そこに穂村さんが座っていることに全く気がつきませんでした^^;。いろんな方が書かれていますが、本当にオーラないんだな~と失礼なことを思ってしまいました...。でもトーク自体はとっても面白かったですよ!(フォローになってるかな) 穂村さんって本当に思考が女性的なんですね。私なんかよりもよっぽど女子。その繊細さ、感受性の強さなどが、穂村さんの短歌を生み出す原動力になっているんでしょうね。逞しさの対極にある感じ、というか。





今日は、前半の熱い熱いトークイベントから、まったりゆったりな電車トークまで、かなり振れ幅の大きい1日でした。なかなか無い、面白い1日だったな^^


*びすこの読書ノート*
「私は夢中で夢をみた - 奈良の雑貨とカフェの店「くるみの木」の終わらない旅 -」 石村由起子 文藝春秋 2009
“幸せは、試練や苦しみの先にこそある。いえ、きっとそこにしかない。”
“いつの頃からか、自分が「こうしたい」と願うことは、目標や計画ではなく、すべて「夢」と言うようになりました。・・・・
「計画」にしてしまうと、「やらなあかん」という義務感も生まれますが、それをいつかは叶う「夢」と言ったら気持ちが楽しくなるし、明るい未来につながっていくように思えるから。”

この本を読んで一番感じたのが、「夢をみる力」の大切さ。夢を実現することはもちろんすごいことですが、夢をみること、見続けることも、誰にでもできることじゃないんですね。どれだけの苦難を経験しても、夢を見続け、それを実現させつづけてきた石村さんに、「夢」の持つ力を改めて教えられました。「夢」がある、というだけで、本当に幸せなことなんだなぁ。


2013年6月15日土曜日

式へ

本日は友人の挙式&披露宴。場所は、京都・円山公園近くの東観荘という小料理屋さん。
人前式というのは、初めての経験でした。やっぱりみんなが幸せそうな顔して、みんなが祝福している姿を見るのはいいもんですね。

列席者の中に共通の知人がおらず、一人で参加したため、しかも久々の結婚式というものに,
若干の緊張を持って臨んだのですが、お隣に座った方々が優しく話しかけてくださって、本当に楽しい時間を過ごしました^^

そして、さすが京都。途中で舞妓さんが登場!演舞を披露してくださったり、一つ一つ席を回ってお話してくださったり。まさか舞妓さんと世間話できるとは思わなかったなぁ。まだ10代の舞妓さんに、かわいいね~なんて、オヤジな絡みも出来て、しごく満足な私でした。

楽しくおしゃべりしながら、美味しい京料理を食べて、みんながずっとニコニコしているような、とってもとっても素敵な式でした^^
本当に本当に、おめでとう!!


*びすこの読書ノート*
「ごはんぐるり」 西 加奈子 NHK出版 2013
“味が分からなくても、適当なものを食べていても、「ごはん」という言葉には、何かしらこちらを漂泊する「キラキラ」が宿っている気がする。”

西加奈子さんが大好きです。小説はもちろん、そのお人柄も。もちろん個人的に知り合いなわけではありませんが、西さんの書かれる文章のそこここから伝わってくる飾らない正直な言葉の数々。エッセイも、ブログも、時には小説まで、まるで知り合いのお姉さんが書いた文章を読んでいるかのよう(いい意味で、ですよ)。
人が生きていくって、決してキレイなことばかりではないけれど、そういうドロドロ、ぐちゃぐちゃした、よう分からんものも全てひっくるめて、世界を愛している西さんの文章が、やっぱり大好きです。


2013年6月13日木曜日

ランニング・バロメーター

最近ちょっとサボっていたランニングを、久々にしました。地元のびわ湖岸にて。

昼間はウダルような暑さだったのが、夜は涼しい風も吹いて、走るとやはり気持ちいい。やはり、びわ湖はいい。朝の清々しい空気もいいけれど、夜のちょっとクールダウンした感じも好き。

今は神戸に住んでいるけれど、滋賀・びわ湖は、永遠に私のふるさとで、一番大切な場所であることに変わりはないのです。湖とは思えない大きさを見ると、そりゃ、しゅららぼんがいても不思議はないわな、と納得。私の経験では、滋賀県民で、びわ湖を愛していない人には出会ったことがありません。住んでいる頃は、I LOVE BIWAKO クラブに入ろうかどうか、真剣に迷っていました。今でもちょっと入りたいです。

それにしても、ランニング。どんなに忙しくても、ランニングをコンスタントにできた週は、身体の調子がとてもいい。つまりランニングは、私の体調のバロメーターなのですね。そして、何よりも、ランニングはタダ!(笑)。どんなに走っても、一円もかかりません。こんなに私に向いているスポーツはないのでは、と思います。


*びすこの読書ノート*
「わたしのマトカ」 片桐はいり 幻冬舎文庫 2010

個性派俳優として知られる片桐はいりさんの旅エッセイ。この方は、演技もインパクトありますが、文章もこんなに面白いんですね。読んでる間、ずっとにやにやしていたと思います。
そして、旅の楽しみ方に、自分に似た部分を見つけて、勝手に親近感。

とてつもなく不味い食べ物を食べた時には、
“あまりに得体の知れないものに出会うと、喜びすら湧きあがる。狭く思えた地球が果てしなく広く感じられる。この世にはまだわたしが知らない味がある!そう思ったら、なにやら胸がときめいた。”

道に迷えば、
“迷えば迷うほど心ときめくのである。地図を見る範囲が広がる。予想外の町を知ることができる。なによりとてもスリルだ。目的地につかなければ、また別のプランを考えれば良い。”

分かる~。想定内の旅なんて、つまらないですもんね。自分にとっての未知数に出会うために、旅に出る気がします。



2013年6月10日月曜日

びすこ@マウンテン

まだ身体は筋肉痛でバキバキのガチガチですが、1日経って、昨日おとついの山行を振り返ってます。

行先は、奈良県大峰山系の八経ヶ岳&弥山。テント泊は、7、8年前に南アルプスで、3泊4日の合宿をして以来。つまりかなりの久方ぶりです。まず泊まる装備をかつぐこと自体久しぶりで(とか言いながら、テントは友人が持ってくれたのですが^^;)、大丈夫かな~と思っていたところに、2日前の突然の腹痛、身動きとれない状態。体調はぎりぎり回復したものの、胸に一抹の不安をかかえたままの出発でした。

で、結果は。。。

もう最高の最高に良い山でした。大峰山系!!歩きながら見える景色に、何度感嘆の声をあげたことか。完全に現実逃避できました。「もう下界に降りたくない、現実の世界に戻りたくない。」とず~っと思ってました。

景色、天候は最高だし、テントを張った場所は、川のすぐそばで、水音を近くに聞きながら過ごした一晩は何物にも代え難く、できることならあと数日そこで過ごしたいと思うほど。川で一日中遊んでいたかったけれど、滞在日数が延びれば延びるほど、それだけの装備をかついで行かないといけないってことですよね^^; 大変な思いをしないと辿りつけないからこその、喜びでもあります。



川のすぐそばでテント泊

テント場のすぐそばには避難小屋も。


 

そして、山の楽しみと言えば、何といっても、山で食べる食事!友人が毎食分の献立を考えて、食材を調達してくれたため、自分一人では絶対に実現しなかったであろう山ご飯にありつくことができました。

1日目の晩御飯。キムチ鍋ギョウザ入り。


私のガスコンロはかなり年代物。
今どき、こんなにデカイのを
山に持ってくる人はほとんどいないみたい^^;


山で食べるご飯は、本当に本当に美味しいです。正直、どんなものでも美味しいです。しかもガスを使ってちょっと調理なんかしたら、とてつもなく美味しく感じます。経験した人しか分からないと思いますが、あの美味しさは、下界でどんなに高いレストランへ行っても味わえません(そんな高いレストラン行ったことないけど)。

百名山のひとつ、八経ヶ岳の山頂。


かなりのロングコースで、最後は自分の限界に挑戦!みたいになりましたが、心から行って良かったと思える山行でした。下界では、なかなかあそこまで体力的、精神的に限界まで頑張ることはできないんですよね。

この山行に誘ってくれて、行程にご飯メニュー、全てを考えてくれ、おまけにテントもかついでくれた友人に、感謝の気持ちでいっぱいです。本当に本当にありがとう!!

しんどくなったら、あの素晴らしい景色を思い出そう。世界は自分が今いる場所だけじゃない、って思えることは本当に大切なことですね。



*びすこの読書ノート*
「早く家へ帰りたい」  高階 杞一 夏葉社 2013

刊行時から、ずっと気になっていましたが、やっと読めました。一気に読むのはもったいない、ひとつひとつかみしめながら、ゆっくりゆっくり読みたい本。でも、もう読み終わってしまった、あ~あ。
もう一度読もう。何度も読もう。
装丁、手触りも素晴らしく、ずーっと撫でていたくなります。帯のひとことも素晴らしい。夏葉社は、栞も究極にシンプルなのに、胸にぐっと来ます。良いものほど、飾りを捨てたシンプルな姿が一番美しいんですね。





2013年6月6日木曜日

古物商許可証だ!

今日は、東灘警察署へ行ってきました。

と言っても、決して悪いことをしたわけじゃないですよ。
古物商の認可が下りたと連絡をもらったのです。4月30日に申請したので、取得に要したのは37日か。約40日の相場(?)通りですね。「前科さえなければ、下りるよ。」なんて言う人もいたけれど、やっぱりホッとしました。

←写真にはないですが、名称と住所の欄は、手書きなんですね~。
書かれた文字がなんとも庶民的で(笑)、これを警察署の方が手書きしたのかと思うと、自然と笑みが。

早速、書籍商のプレートの手配をしよう^^

やっと、スタート地点に立った気分。





古物商許可番号: 兵庫県公安委員会第631101300020号


*びすこの読書ノート*
「サクリファイス」 近藤史恵 新潮文庫 2010

これはもう自転車好きにはたまらない小説。初めて読んだとき、「出会ってしまった」とまで思いました。サスペンスとしても十分楽しめますが、自転車が大好きな私としては、日本ではあまり知られていない自転車競技の醍醐味をここまで表現しきってくれたことに、拍手です。自転車のロードレースは個人競技である前に、チーム競技であること、時として個人の成績を度外視してでも、チームのために貢献することが求められること、こういった特殊な構図を知ってから、ロードレースを見れば、何倍も楽しめるはずです。まさにサクリファイス、自己犠牲の精神ですよね。日本ではまだまだ認知度の低い自転車競技の面白さを広く読者に知らしめてくれた著者に感謝します。続編や、スピンオフのストーリーもいくつも出ていますので、こちらで少しでも興味をもたれた方は、そちらも是非手にとってみてください!


2013年6月3日月曜日

ふたたび長岡京へ

最近、京都づいてます。今日は、先日の「天神さんで一箱古本市」でご縁のできた方へ会いに、長岡京へ。

JR長岡京駅に着いたら、まずは恵文社バンビオ店へ。バンビオ店へ行くのは初。思った以上に良かった(失礼か)。最近、大幅にリニューアルをされたそうで、以前のお店を知らない私には比べることはできないけれど、今の感じはかなり好きです。リニューアル前後を書いた文章もいい。応援したくなります。大きな都市ではなく、地元の街にああいう本屋があったらすごく嬉しいだろうな。本の並べ方なども、まだ試行錯誤中のようだけど、それがまた、これから発展していく可能性を感じられる良い本屋さんでした。(今月15日開催のミシマ社トークイベント@恵文社バンビオ店も、参加予定で、ものすごく楽しみ^^)

それから阪急長岡天神の方へ、てくてく。本日のメインイベント、カフェグランパへ。阪急の駅から見えるくらい駅チカで、すごく良い場所。カフェでは、すっかりくつろいで、3組くらいお客さんを見送って、長居。ここが今月18日で閉店してしまうなんて、とっても寂しい。今日初めて行ったくせに、だけど。常連さんらしきお客さんたちとの会話も楽しく、和やかで、地元のお客さんに愛されてきたお店だということが、よくわかる。その上、びすこ文庫に本の寄付までしてもらった。涙出そうです。

これからも、一つ一つのご縁を大切にしていこう。


*びすこの読書ノート*
「ベルカ、吠えないのか?」 古川 日出男 文春文庫 2008
“これはフィクションだってあなたたちは言うだろう。
おれもそれは認めるだろう。でも、あなたたち、
この世にフィクション以外のなにがあると思ってるんだ?”

しびれます。古川日出男の疾走感溢れる、言葉のリズムに、ビートに、しびれまくりです。かっちょええ。しかも中身は、“20世紀=戦争の世紀”を描くという超硬派。古川日出男が描くなら、これまで不勉強だった国際紛争なんかも勉強しちゃうよ。だって知ってた方がかっこいいでしょ?なんて思ってしまう。あとがきを読んで知りましたが、ZAZEN BOYSの向井秀徳が激賞し、二人で共演までしているんですね。なるほど。ナンバーガール時代に見た向井さんのライブ、カッコよかったもんなぁ。納得、納得。

“ボリス・エリツィンに捧げる。
おれはあんたの秘密を知っている。” 

おぉ。







2013年6月1日土曜日

モグリなんです?!

昨日は、京都の本屋さんをいくつか訪ねてきました。

まず向かったのは、烏丸御池のレティシア書房。店主さんとは、先日の「天神さんで一箱古本市」でご挨拶を交わして以来。本来なら、新参者の私の方からご挨拶に伺うべきところを、レティシアさんの方からお声をかけていただき、本当に嬉しかったのです。先日お話したときにも感じたことですが、レティシアさんの本のチョイスが、まさに私のツボ。星野道夫さんに池澤夏樹さん、その他にもたくさん。お店全部を買い占めたい衝動にかられました。
また店主さんには、超・新参者の私にいろいろと貴重なアドバイスもいただきました。中には「え?そんなことも知らんの?」と、たまたま居合わせたお客さんも一緒に驚かれることもあり、「はい、私本当にモグリなんです!」と、堂々と宣言してしまいました^^; 

次は、レティシアさんに教えていただいたYUY BOOKSに行こう、でもその前にちょっと休憩。ということで、本好きにはたまらないブックカフェ月と六ペンスにて、美味しい珈琲を。こちらの静謐な雰囲気、並んだ本のセレクション、美味しい珈琲はもちろん素晴らしいのですが、私は秘かに月と六ペンスのブックカバーのファンなのです。シンプルなデザインにクラフト紙の手触り。デザインも15種類ほどあるそうで、今回は、まだ持っていないデザインのものを3種類ほどいただいて帰りました。びすこ文庫でも、あんなシンプルで素敵なブックカバーを作りたいなぁ。

さてさて、次は本当に、五条にあるYUY BOOKSへ。こちらは、まずお店の場所が面白い。つくるビルという建物の2階にあるのですが、カフェがすぐ隣にあり、というよりはカフェの中を通って、YUY BOOKSへ辿り着くという感じ。つくるビル自体もアパートの1室、1室がお店になっているような雰囲気で、個性的なのです。まだまだ空いているお部屋(店舗)もあるので、これからどんどん面白い場所になって行くんだろうな、と今後の可能性も楽しみな場所でした。YUY BOOKSでは、とってもかわいらしい女性の方が店番をされていましたが、他のお客様とのお話を邪魔しないようにと、今回はご挨拶だけして、お店を後にしました。

今回レティシア書房さんでも、YUY BOOKSさんでも目を引いたのが、小出版社が発行した本やリトルプレスの充実ぶり。他の書店にはあまり置いていない出版物を見ているだけでも楽しく、自分のお店でどう特色を出していくのか、とても勉強になりました。

京都は、まだまだ他にも行ってみたい、再訪したい本屋さんが沢山あるので、また機会を見つけて、訪ねてみようと思います。


*びすこの読書ノート*
「流しのしたの骨」 江國香織 新潮文庫 1999
“私はときどき人生について考える。・・・・・
それはまるでビスコの箱にかかれた血色のいい男の子の顔のように、未知にして親しいものだった。”

ちょっぴり変わっていて、でもとっても素敵な家族のお話。考えてみれば、どの家族も、他から見れば、どこか変わっているものかもしれないですね。淡々と静かに過ぎているように思える日常が、すっと心に沁みてきて、不思議に幸福な読後感でした。
時折り出てくる斬新な擬態語も楽しくて。雨が降って寂しいときの “す~んとするの” や、 “じょんじょんじょんと、歩いて帰る。” なんて、思わず自分もやってみたくなります。
どうしてこのタイトルなのかは、後半まで読んだ人だけのお楽しみです。(初めタイトルを見たときは、ちょっとサスペンスの入った怖い話かと思ってしまいました^^;)