2013年5月29日水曜日

ミシマ社の本屋さん訪問

今日は、京都・城陽のミシマ社の本屋さんへ。ミシマ社代表の三島さんの著書を読んで以来、ミシマ社は、私にとって、とても特別な出版社です。そのミシマ社が毎日ではないけれど、本屋さんをしているというので、わくわくしながら行ってきました。

まず立地が、久津川駅という、近鉄京都線で普通しか止まらないかなりローカルな場所。

← そして本屋さんの外観がお家そのまま。











← 中に入っても、やはりお家の中、そのまま。 

ミシマ社でインターンをされている学生さんお二人が、店番をされていました。なかなか無いでしょ、ここまでアットホームな本屋さん。どなたかのお家にお邪魔して、本を見せていただいている感覚。店番のお二人との会話も楽しかったなぁ。学生さんとお話すること自体、すごく久しぶりな気がする。なんだかきらきらしてた。インターンが学生限定じゃなかったら、私も応募したいなぁ。かなり年齢オーバーだけど。






選書も良くて、迷いましたが、「猫語の教科書」 ポール・ギャリコ著 灰島かり訳 ちくま文庫 を購入。ミシマ社刊の本にも、もちろん欲しいものは沢山あったのですが、なぜかミシマ社の本は、近所のミシマ社を応援している本屋さんで買いたい気がしたのです。びすこ文庫のチラシや手作り栞まで、玄関先に置いていただいて、ご満悦でお店を後にしました。


しかもその後、近所の美味しい珈琲の焙煎所兼カフェにまで案内していただいて。

←カイドウコーヒーでいただいた、グァテマラ珈琲。写真では、わかりにくいのですが、出てきたとき、ちょっと驚くくらい大きなカップで、大容量。たっぷりゆっくり楽しみました。








ミシマ社の本屋さん、ちょっと遠かったけど、本当に行ってよかったなぁ。遠くてもまた行きたい、と思わせてくれる素敵な温かい本屋さんでした。



*びすこの読書ノート*
「だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ」 都築響一 晶文社 2008
“分別じゃなくて、無分別を教えてあげられるオトナでいたいと、痛切に思う”

著者が15年かけて出会った本、人、本屋について綴られているのですが、本にかける人々の情熱がビシビシ伝わってくる一冊。その熱量におされて、どの本も読みたくなってしまうから困る。しかも、ここで取り上げられている本のほとんどは、あまり知られていない小さな出版社から出された、そこいらの本屋では入手困難な本だから、余計困る。おそらくネットで探すのが一番手っ取り早いんだろうけど、そういう本こそ、古本屋で衝撃的な出会いをして、手に入れたいと思う。そうやって、本を探している時間も、楽しいもんですよね。


2013年5月28日火曜日

デザイン打ち合わせ なんちって

ロゴやショップカードの打ち合わせのため、岡本へ。

といっても、これまでデザイン、アートなどとは無縁の、ダサダサの生活を送ってきたため、その手のセンスはまるでない私。自分では全く良い案など出ないのに、延々と私の暑苦しい思いを聞かされて、相手の方には苦行のような数時間だったことでしょう。

でも、おかげで、シュールかつ可愛い、すごく私好みのロゴが出来そうだ。わくわく。
それにしても、イラストレーターとかデザイナーの方っていうのは、どうしてあぁサクサク、アイデアが出てくるのかな。すごいなぁ、と感心することしかできない私^^;


*びすこの読書ノート*
「八朔の雪 ~みをつくし料理帖~」 高田郁 ハルキ文庫 2009
"長い間、垂れこめた雲ばかりに気を取られてきた。その上に広がる青い空を忘れてしまっていたのだ。見てやろう。どうあっても、青い空を。"

時代小説には、全く縁のなかった私でも楽しめるものを、と勧めていただいた一冊。読むうちに、主人公の澪(みお)ちゃんの頑張りを、一生懸命、応援している自分がいました。数々の試練に遭いながらも、生来の負けん気と、周りの人たちの支えによって、乗り越え成長していく澪(みお)。あまりの困難にくじけそうになった澪に、ある人が、「良いか、道はひとつきり。それを忘れるな。」と自分の信じる道をあくまで貫き通すよう、諭した言葉が胸にずしんと来ました。江戸時代でも、現代でも、「人情」っつうのは、いいもんですね。


2013年5月27日月曜日

店主の好みを少し。

CAFEで買い取りを始めるにあたり、「いったいどんな本を持っていったらいいの?」という質問をたくさんいただきました。そこで、ご参考までに、びすこ文庫・店主の好みを少しご紹介しようと思います。

もちろん、下記にあげたもの以外にも、好きな本はたくさんありますし、逆に、私のこれまでの短い(?)人生における読書量など知れているので、「この人の本面白いよ!」とか「このジャンルも読んでみてよ!」と、教えていただけたら、とっても嬉しいです^^
「大切な本だし、思い出もある。捨てるのはしのびないし、BOOK*FFに売るのは味気ないな~」とお考えの方、「なにか面白い次の読者へのつなぎ方ないかな~」と思われる方、是非びすこ文庫に本を持って遊びに来てください!!

<好きなジャンル>
小説、エッセイ、紀行文 etc.

<好きな作家さん>
川上未映子、西加奈子、星野道夫、池澤夏樹、山秋子、太宰治、安部公房、梨木香歩、沢木耕太郎、中村文則、穂村弘、辻村深月、本谷有希子、本多孝好、米原万里、万城目学、松尾スズキ、山崎ナオコーラ、さだまさし、近藤史恵、村上春樹、イアン・マキューアン、etc.

<これから(もっと)読んでみたい作家さん等>
いしいしんじ、吉田修一、古川日出男、最相葉月、中島京子、松浦弥太郎、夢野久作、佐野洋子、 長嶋有、筒井康隆、柴崎友香、三浦しおん、倉橋由美子、多和田葉子、ミシマ社の本、夏葉社の本、パロル舎の本、etc.

新旧・ジャンル等、ごちゃまぜですいません。

上のリストは、これからも適宜、更新予定です。みなさんにお持ちいただいた本を通じて、店主の世界も広げていけたら嬉しいな、と思います。

またお店のオープン後は、お客様同士、本を通じたつながりを感じていただけるような企画も、考えていきますので、お楽しみに~。

CAFEで買取の詳細はこちら

*現在、本の買い取りは行っておりません。ご了承くださいませ。
        

2013年5月26日日曜日

長岡天神でお会いした皆さまへ

昨日、京都・長岡天満宮で行われた「第四回 天神さんで一箱古本市」で、お会いした皆さま、本当にありがとうございました!沢山の出会いに感謝!!

とにかく全てが “ 初 ” だった出店が無事終わり、今は腑抜け状態です。なぜか全身筋肉痛(笑)。

当日は、お天気に恵まれ、逆に熱中症などが心配でしたが、境内の中は風が吹けばさわやかで、店主さん達は、太陽の動きとともに日陰に移動するなどして、みなさん無事に1日を終えられて本当に良かった^^


← びすこ箱はこんな感じでスタートしました。

お客さんは、京都の方はもちろん、意外にも神戸から来られた方や、「神戸が職場です。」、「神戸が実家です。」と、神戸ゆかりの方々も沢山いらっしゃって驚きました。神戸から来てくれた友人もいて(しかも手土産付き!)、感激。

一番驚いたのは、このブログを読んでますよ~、と言ってくださる方が結構いたこと。こんな暑苦しいブログを誰が読んでくれるのかな~、と思っていたので、恥ずかしくも嬉しかったです。


また、秋に神戸・岡本にオープンするお店への応援メッセージも沢山いただいて、励みに感じるとともに、背筋が伸びる思いでした。

そして、この天神さんで一箱古本市を成功させ、より良いものにしていくために、多大な尽力をされている榊翠簾堂さんに深く感謝します。

本を通じて、たくさんのお客さんや店主さんと交流することができ、さらに本の可能性を信じることができた一日でした。最後にもう一度、みなさん、本当にありがとうございました!!



*びすこの読書ノート*
「絵描きの植田さん」 いしいしんじ・作 植田真・絵 ポプラ社 2003

真っ白な本。真っ白な心。真っ白な自分。
都会で心に傷を負った絵描きの植田さんが、都会から遠く離れた高原の一軒家に移り住みます。植田さんと、その土地の人々との関わりを読んでいくうちに、植田さんとともに、読者の私も心が恢復していくようでした。後半の植田真さんの美しい絵の連続には、思わず込み上げてくるものがあります。真っ白な美しい本です。


2013年5月24日金曜日

はるばる高知から

  
友人が、びすこ文庫に、と本を送ってくれました。それも、はるばる高知から!!

それだけでも、涙ものですが、私のツボにばっちりはまる本がたくさん^^
明日の一箱古本市(http://suirenndou.exblog.jp/ )の準備をしないといけないのに、ついつい読みだしてしまいます^^;
というより、もう決めたと思っていた選書にも影響が。。。本を選ぶって難しいですね~
悩ましいですが、これが一箱古本市の楽しみでもあるんでしょうね。持っていきたい本を全て持っていけるわけではなく、一箱に収めるために、あれを入れたりこれを抜いたり。もうそろそろ覚悟を決めて、明日はとにかく楽しみたいと思います!
明日はまず間違いなく良いお天気になりそうなので、京都にお出かけのみなさんは、長岡天神にも寄っていってくださいね。
日焼け対策もしないとな~


*びすこの読書ノート*
「世界をこんなふうに見てごらん」 日高敏隆 集英社文庫  2013
“ 自分の思った道を粛々と行けばいい。人を説得しなくては、なんて思わない。自分がそう思っていればいい、と思う。 ”

高名な学者先生なのに、まったく堅苦しさがなく、平易な表現でものすごく深いことを言っている(気がする)。科学の世界の" 常識 "にとらわれず、自分の感覚に正直に、「なぜ?」を問いかけ続ける姿が素晴らしいです。ある業界に身を置きながら、そこで当然とされていることに異議を唱え続けるのは、本当に難しいですよね。難しい理屈をこねくりまわして、偉そうにしている方々に読んでもらいたいです。物事を、子どもにも理解できる平易な言葉で説明できる人が、本当に分かってると言うんだと思います。
(追記:著者がこれまでに翻訳してきた本が、これまた面白そうで、かなり興味をそそられます。そのうちの一つが、『鼻行類』(ハラルト・シュテンプケ著 平凡社ライブラリー)。“今は消滅した群島に生息していたという、鼻で歩く奇妙ないきもののことを記述した本”ですよ? 真偽のほどはさておき、かなり読みたくなりませんか?)






2013年5月23日木曜日

なんとか準備完了。ふぅっ

明後日、土曜日の「天神さんで一箱古本市」(http://suirenndou.exblog.jp/ )の準備が、やっと完了しました~。ふぅっ。
ぎりぎりですが、選書、値付け、パッキングなどの作業を終えて、ちょっとほっこりです。

 
← “ びすこ文庫 ”の “ びすこ箱 ”は、だいたいこんな感じ。初出店ということで、これでお客さんに喜んでもらえるのか、どうだろうか、とドキドキとワクワクが頭の中で、ぐるんぐるん廻ってます。

それにしても、出店の準備ってこんなに大変で、悩むものなんですね~。たった一箱用意する店主でさえそうなんですから、企画・主催されている榊翆簾堂さんのご苦労を思うと、頭が下がります。

実は、昨日、スーツケースの車輪を一つ壊してしまったのが、ちょいと心配です。それに、私の究極の方向音痴が合わさって、当日辿りつけるのかどうかが、一番の問題だったりして^^; 

もし辿り着け、無事に長岡天神の境内に座ることができましたら、みなさん、お気軽に声をかけてくださいね~。 どんな方たちとお会いできるのか、本当に楽しみだぁ。


*びすこの読書ノート*
ちっぽけ村に、ねこ10ぴきと。 ~絵本作家の森ぐらし~  どい かや 
MOE BOOKS  白泉社 2011
“ 幸せの毛玉、ときどき猫をそうよびます。”

究極に癒されます。とりわけ猫好きというわけでもない私が、たまらなく猫と触れあいたくなる、そんな一冊でした。絵本作家のどいかやさんが、森に移住してからの10年をつづった本ですが、90%くらいが猫にまつわるエピソード。写真の猫もかわいいですが、どいかやさんによる絵の猫ちゃん達が、たまらなく可愛いい!一緒に暮らす猫の数がどんどん増えていき、いったいどこまで行くのか、とこっちが心配してしまうほどですが、本当に猫を愛してらっしゃるのが伝わってくるようです。都会の生活に疲れてしまった時や、とにかく癒されたい時におススメの一冊です。



2013年5月22日水曜日

本を寄付いただきました!感謝!!

本を、びすこ文庫に寄付してくださるという奇特な方がいらっしゃって、いそいそと岡本まで受け取りに行ってきました。

 
写真、カメラ関係の本を中心に、持っていったスーツケースいっぱいに詰め込んでもまだ足りないほどの本。本当にありがとうございます!

こうやって本を提供いただくことで、自分の得意分野(なんてあるのか?)以外の本を知ることができ、間口を広げることができるのも、古本屋の面白いところだなぁ、と思います。

いろいろな方の思いをいただいて、びすこ文庫は前進します!!




*びすこの読書ノート*
「薔薇は生きてる」 山川彌千枝 創英社 2008
“美しいばらさわってみる、つやつやとつめたかった。ばらは生きてる”

山川彌千枝さんが、16歳で結核で亡くなるまでに残した作品集。普通なら悲劇のヒロインとなりそうですが、彼女の作品からは驚くほど悲惨な印象を受けないのです。逆に感じるのは、彼女の力強さ。そして、感覚の鋭さ、視点の面白さ。「おぉ、そこに注目する?!」と、彼女の作品を読むたびに、新鮮な驚きがやってきます。私の拙い説明よりも、実際に読んで、彼女の世界に触れていただく方が早いですね
(私が初めて手に取ったのは、創樹社の「定本・薔薇は生きてる」ですが、写真のものは、現在、新刊も入手できる創英社刊です。)


2013年5月21日火曜日

匙(さじ)

親友の結婚祝いの品を、郵送した。思いが溢れすぎて、うまくお祝いの言葉を口に出来ないほど、大切な友達。
 







贈ったのは、岡本のKameli Apartmentさんで見つけた、匙屋さんの手作りの木のスプーン。2人のために、記念日を彫ってもらった。見れば見るほど、手に持てば持つほどいい。これほど、スプーン1つに愛情を感じたことはあっただろうか。いや、ないよね。


2人の日常に、このペアのスプーンが登場してくれたら、本当に嬉しい。
*びすこの読書ノート*
「くちぶえカタログ」 松浦弥太郎 ブルース・インターアクションズ 2005
“ 仕事とは自分以外の他人のために尽くし抜くことだ。 ・・・・
 一番のよろこびは自分の仕事によって人に笑顔が生まれ仕合わせになっていくことであろう。働いてもらえるお金はその笑顔と仕合わせの量でしかない。どれだけ自分が苦労したかの量ではないことを決して忘れてはいけない。 ”

著者の随筆のファンという方はたくさんいらっしゃると思いますが、彼の文章を読むといつも、正直に真摯に生きること、を想います。上に引用した文などを読むと、背筋の伸びる思いで、本当にその通りだと感じます。常にそのことを忘れず、仕事をし、生活をすることは簡単ではありませんが、せめて心がけ続けたい。そう思います。
(写真の版は、装丁も遊び心満載で楽しい。「はじめに」がカバーに書かれていたりするんですよ!)

2013年5月20日月曜日

いよいよ “初出店”

“ びすこ文庫 ” 初出店の「天神さんで一箱古本市」まで一週間を切りました!
第四回 天神さんで一箱古本市
http://suirenndou.exblog.jp/ 
(5月25日(土) 京都・長岡天神 )

なにしろ全てが “ 初 ” なので、何をどう頑張っていいのか、全く分かりませんが、とにかく頑張ります!! みなさん、暖かい目で見守ってください^^ 

←目印は、このビスコ缶!
店主とおしゃべりするだけでも大歓迎なので、みなさんお気軽に寄ってってくださいね~










*びすこの読書ノート*
「走れ!ビスコ」 中場利一 幻冬舎 2009
“「社会に出たら『こんなもんでしょ』は絶対に言うなよ。どんな仕事を選んでもええ、そのかわり『こんなもんでしょ』『こんなもんですわ』は口が裂けても言うたらアカンで」”

びすこ文庫としては、このタイトルに反応しないわけにはいきません(笑)。著者は「岸和田少年愚連隊」でデビューした中場利一さん。主人公のリツコは、ビスコのパッケージに描かれているイラストそっくりの顔をしていることから、ビスコと呼ばれています(個人的には、この時点で、か・な・り親近感を覚えます。)。そんなリツコが、お菓子会社に就職し、新入社員として毎日奮闘する姿を描いた小説ですが、ポップなスピード感と、強烈な登場人物たちのおかげで、一気に最後まで読めます。人に何と言われても、がむしゃらに突き進むことも、時には必要ですよね。




 
 

2013年5月19日日曜日

花鳥園の“ どうでもいい豆知識 ”

友人たちと、神戸の花鳥園に行ってきました~
元々は、ハイキングの予定だったのが、なんど天気予報を見ても、雨の予報だったため、雨でも楽しめる場所を、ということで花鳥園になりました。が、ここが想像以上に楽しい!


綺麗なお花がいっぱいで、それだけでも十分楽しめるのですが、何よりも、鳥たちとの距離が近っ! 実際に、さわれちゃいます。 



そして、圧巻なのが、フクロウの種類の多さ。こんなにフクロウって沢山種類があるのかぁ、と釘づけになってしまいました。でも、家にいたら怖いな。。。 ← 夜行性で昼間は眠いのか、半眼のフクロウさん。

何気に気になるのが、館内のところどころに貼ってある、鳥に関する “どうでもいい豆知識”。 そんなんどうでもいいわっ!と、大阪風のつっこみを入れたくなるような、本当にどうでもいいことばかり、書いてあるのです。おそらく職員さんのうちのどなたかが書かれているのですが、千葉真一の名が出てきたりするところをみると、結構ベテランの職員さんなのでしょう。 それにしても、「マガモ」の説明が、“ ただのカモ ”って。。。
← 最後に、このお花のラブアーチの中で、女6人で記念写真を撮って、帰りましたとさ。











*びすこの読書ノート*
「とりつくしま」 東直子 ちくま文庫 2011

歌人・東直子さんの連作小説集。わたし、小説以外に本業を持っている方の書く小説が、割と好きなんです。例えば、詩人・蜂飼耳さんの小説とか。
この世に未練を残して亡くなった方に、「とりつくしま係」が、なにかモノになってこの世に戻ることができますよ(生きてるものはダメ)、と問いかけます。そのモノが「とりつくしま」。息子のロージンバッグになる人や、母の補聴器になる人、妻の日記になる人も。この設定や「とりつくしま係」なんて名称が、クスっと笑えてとっても好きなのですが、主人公たちはいずれも亡くなった直後の人たち。事態は深刻なはずなのに、作者の世の中に対する温かい眼差しが伝わってきて、どのストーリーも読んだ後、なんだか癒されるのです。

2013年5月17日金曜日

買取チラシできました!

びすこ文庫の買取チラシ出来上がりました!!
印刷は、大阪のレトロ印刷さんで。私が好きそうな紙があるよ~と何人かの方に勧めていただきましたが、実際にお店に行ってみて、どんぴしゃでした。思わずさわりたくなるような、いい味の紙がたくさん^^ コストパフォーマンスも素晴らしく、これからお世話になりそうです。

←こんな感じ。

実際は、もっと濃い茶の思わずさわりたくなるクラフト紙です^^

早速、帰りに岡本に寄って、近所のお店への挨拶まわりや、ポスティングを少し。いよいよ始まりますよ~。

どこかのお店で、この茶色い買取チラシを見かけた方は、是非手にとってみてくださいね。



6月の買取日程は、

6 月21 日( 金)、24 日(月)、25 日(火)、26 日 (水)
時間: 15 時~ 20 時ごろ 

FARM HOUSE CAFE  

です。
よろしくお願いします!!


*びすこの読書ノート*
「本当はちがうんだ日記」 穂村弘 集英社文庫 2008
穂村さんの書く、自虐エッセイが好きです。この『本当はちがうんだ日記』にしても、『現実入門』や『にょっ記』にしても、どこまでが本当でどこからが作り話か分からなくなるくらいの、へなちょこっぷり。歌人として素晴らし短歌を詠み、短歌の批評でも立派な賞をもらったりしている彼からは、ちょっと想像できないほどの、現実(?)の姿とのギャップ。40過ぎ、独身、親と同居、主食は菓子パンですよ?! かなりおモテになる様子の穂村さんですが、きっと世の女性達は、「このギャップがたまらないのよねぇ。」と思うんでしょうか。かくいう私も、彼のエッセイをにまにましながら楽しんでいる一人ですが。





2013年5月13日月曜日

金剛登山&山の図書館

昨日は、金剛山に登ってきました~
前日までかなりの雨だったため、どうなるかと思いましたが、昨日の日曜日は180度真逆のピーカンのお天気で、絶好の山登り日和^^

途中、満開のお花畑を経て、山頂ではネパールカレー&チャイをいただくという素ン晴らしい企画。しかも、ネパールのシェルパ族の方も1人参加、という前代未聞の金剛山登山。そして、30名以上の方と、初めましてでしたが、みなさん本当に良い方たちで、最初から最後まで楽しくわいわい、とっても有意義な一日でした。
さりげなく、びすこ文庫の宣伝もしたりして^^







そして!!昨日は下山してからもすごかった。個人の方の寄贈による山や旅関係の本・雑誌がぎっしりつまった小屋を見せていただきました(現時点では、非公開)。小屋いっぱいに、ぎっしり、年代物の山雑誌や山の本ばかり並んでいる様は、まさに壮観でした。これはとんでもなく貴重な資料群だぞ、と夢中になって写メを撮ること73枚(左の写真はほんのほんのほんの一部)。
ちゃんとしたカメラを持ってくるんだったな~。




新緑の山の景色や、貴重な山の本の数々など、盛りだくさんな一日でしたが、何よりも素敵な方々との出会いが一番の財産となりました^^
やっぱり山はいいな~


*びすこの読書ノート*
『奇跡のリンゴ ~「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録~』 石川拓治 幻冬舎文庫 2011
“ひとつのものに狂えば、いつか必ず答えに巡り合うことができるんだよ”

まず何より、カバーの木村さんの笑顔が最強です。この笑顔を見るだけで、勇気がわいて、思わずこちらも微笑んでしまうような。
この笑顔にたどりつくまでに、どれだけの壮絶な苦労をされたか。話題になっていたので、何となく想像はしていましたが、私の予想をはるかに超えるまさに絶句、の苦労の数々。木村さんの苦労を知って、自分の悩みなんて悩みにも入らないと自殺を思いとどまった若者の話にもうなづけます。
これほどまでに自分の信じた道を、愚直に突き進むことは、誰にでもできることではありませんが、やり続けること、諦めないこと、の大切さを教えてくれた1冊でした。





2013年5月9日木曜日

日曜大工、始められず。。。

お店に置く本棚とか備品とか、出来る限り手作りしようかな~、その方が愛着わくよな~、と思い立ち、コーナンとコーナンPROをはしご。

しかし、道具・材料を購入する時点で、早くも挫折しました(笑)
私は図面とか、展開図とか、全く描けない(イメージすら浮かばない)、ということに気が付きました。というか、思い出しました。そういえば、中学生の頃から、数学の時間、立方体の図とか全然描けなかった。。。

手始めに、5月25日の一箱古本市 の箱を手作りしようと思ったのにな。

家でなんとか図を描いて(ゆがみまくり)、店員さんにも聞きまくり、お店でもうんうん唸りながら、寸法とか必要な資材を考えたけれど、それだけで疲れ果て、結局何一つ購入せずに、お店を後にしたのでした。

人には得手、不得手があるよな。やっぱり私は、ちまちま栞とかブックカバー作りに励もう、と自分に言い聞かせる今日この頃です。


*びすこの読書ノート*
「ノーザンライツ」 星野道夫 新潮文庫 2000
“私たちが日々関わる身近な自然の大切さと共に、なかなか見ることの出来ない、きっと一生行くことが出来ない遠い自然の大切さを思うのだ。そこにまだ残っているということだけど心を豊かにさせる、私たちの想像力と関係がある意識の中の内なる自然である。”

アラスカ写真家の星野道夫さんですが、私はとにかく彼の書く文章が大好きなのです。読んでいるだけで、心が落ち着き、本当に大切なことに気づかせてくれるような文章。星野さんの文章で描き出されるアラスカが魅力的すぎて、思わずアラスカにも行ってしまいました。星野さんの言葉の中で、一番心に残り、いつも私を勇気づけてくれるのが、「好きなことに出会ったら、それを大切に」するということ。好きなことに出会うこと自体、本当に幸せなこと。幸運にも自分が情熱を注げるものに出会えたなら、それに向かって進み続けたいものです。
















2013年5月7日火曜日

本屋めぐり@大阪みなみ

昨日は、本好きの友人と一緒に、大阪・南船場 prideli graphic labさんで開かれている “アップルの発音。パンとコーヒーと本、のちフリーマーケット”へ行ってきました。
私の大好きな大阪の古本屋さんもたくさん出展されていて、行くのをとても楽しみにしていたため、オープンの11:00より5分ほどフライングして、入店したのでした。
私の知らなかったお店もいろいろあって、世の中にはたくさんの古本屋さんがあるのだな~、と嬉しく勇気づけられました。
私はちょうど欲しいと思っていた 山川彌千枝 「薔薇は生きている」を購入。

せっかく大阪に来たのだからと、次は古本屋 colombo cornershop さんへ。知人に、なんば神社の近くにおしゃれな古本屋さんがある、と教えてもらって伺ったのですが、その通り、とっても素敵な店構え。しかも、店主さんのお話がとっても楽しい!!
神戸・岡本で古本屋を始めます宣言をして、背中を押していただいて、お店を後に。

それからてくてく歩いて、心斎橋のスタンダードブックストアをのぞいたりしながら、次のお目当て、日本橋の蒼月書房さんへ。私も友人も、地図を読めない女なため、全く違う方角へしばらく歩いたりと、なかなか苦戦した末、お店へ辿りつきました。でも苦労して辿りついた甲斐がありました!こちらの本のセレクションが、どの棚も、いちいち私たちのツボ。時間を忘れて、夢中で本を手に取りました。こんなに素敵な本ばかりどうやったら集められるのだろうと、店主さんのセンスに唸る私たち。
ここでも、読みたいと思っていた 都筑響一 「だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ」 があり、購入。
うちの近くにあったら、しょっちゅう通うのにな~、この棚全部大人買いしたいな~などと、興奮しながら、帰途につきました。

1人でじっくり本屋さんを巡るのもいいけれど、本が好きな友人と一緒に、わいわい本の話をしながらの本屋巡りは、また一段と楽しく、本当に素敵なGW最後の一日でした。

*びすこの読書ノート*
「ルリユールおじさん」 いせ ひでこ 講談社 2011
“わたしも魔法の手をもてただろうか。”

大人になってから読んだ絵本のなかで、一番好きな一冊。パリの本造りの職人(ルリユール)と、少女ソフィーの本を通じた交流のお話ですが、途中ソフィーが “わたしだけの本” と、ルリユールおじさんに製本してもらった本を、ぎゅっと抱きしめる場面。たまらず私もこの絵本を抱きしめたくなります。本が好きな人なら、みんなこの気持ち、分かってくれるんじゃないかなぁ。作者のいせ ひでこさんが、あとがきで “本は時代を超えてそのいのちが何度でもよみがえるものだと。” 書かれていますが、本当にその通りですね。そのお手伝いができれば、そんな素敵なお仕事はないんじゃないかと、感じています。

2013年5月5日日曜日

コツコツ

今日はとっても良いお天気でしたね~。黄金週間日和。

ですが、そんな中、私が朝一番にしたことは、ひたすらハンコ押し。。。
ネットで注文したびすこ文庫のハンコが昨日届いたため、ブックカバーやしおりの試作品を作ってみました(と言っても、ただハンコを押しただけ)。
ひたすら切ったり折ったり押したり。気づいたら数時間経っていました(;^_^

何だか、その昔、日本語教師時代に教材を手作りしていた頃を思い出します。お金はかけないけど、手間だけはものすごくかけて。非効率極まりないやり方ですが、毎レッスン、必死で準備していたな~、と初心を思い出しました。

そして午後からは、アースデイ神戸に自転車で出かけて行って、出店されていたテアトロさんとおしゃべりし、その後、トンカ書店にお邪魔して、失礼にも試作品のブックカバーやしおりをお渡しして、最後に六珈さんで、美味しいコーヒーをいただきながら、本おやさんで勧めていただいた本を読む、という何とも盛りだくさんな一日でした^^

*びすこの読書ノート*
「ほんまにオレはアホやろか」 水木しげる 新潮文庫 2002

大阪堂島の本屋さん“本は人生のおやつです!”さんで、「心が強くなる本を」とリクエストしてお勧めいただいた本。とにかく水木さんの半端ない生命力に、度肝を抜かれます。水木さんの「大地に生かされている」という感覚。仕事の悩みや、交友関係の悩み、経済的な悩みなど、そんなものは、現にこの瞬間に “生きている” という事実に比べたら、小さなことなのかもしれません。






2013年5月4日土曜日

なんちゃって店主@ワールドエンズガーデン

ちまたでは、黄金週間の真っ最中なんですね。昨日、三宮へ出て初めて気付きました。

さて、今日はつい先程まで、ご近所さんの古本屋ワールドエンズガーデンさん http://www.worldendsgarden.com/ で、店番をさせていただきました。

開店してすぐは、ちょこっと緊張もしましたが、お客様との会話など、本当に楽しかった~。みなさん、優しい方ばっかり!
座ってるだけの、お店には何の貢献もしていない、なんちゃって店主でしたが、ずっと探していた本を見つけ感激されているお客様や、私と同様、古本屋開業を目指しているお客様とお話することができ、本当に良い時間を過ごさせていただきました。
私も心地の良い時間を過ごせるお店づくり、頑張ります!!






*びすこの読書ノート*
「スティル・ライフ」 池澤夏樹 中公文庫 1991
"この世界がきみのために存在すると思ってはいけない。世界はきみを入れる容器ではない。
 (中略)
でも、外に立つ世界とは別に、きみの中にも、一つの世界がある。"

書店(某VレッジVガード)での立ち読み1ページで、即買いして以来、ずっと私のベスト5に入っている1冊。理系の人が小説を書くとこうなるのか~と、目から鱗が落ちました。
表題作の他にもう1篇収められている「ヤー・チャイカ」も好きです。私も恐竜飼いたいな。ディプロドクスのディッピー。
解説は、須賀敦子さん!!